授業・調査の様子14 文化遺産デザイン研修10

 岡崎プチまち歩き「動物園から見る岡崎」を担当して(2014.12 歴史学科 田島靖大)



 去る2014年11月26日に、京都岡崎魅力づくり推進協議会が主催する、オカシル連続講座2014の第3回が
京都市動物園で開かれた。そのプログラムの一つとして文化遺産デザイン研修チームで、「動物園から
見る岡崎」として動物園内を歩きつつ、そこから見える岡崎地区の景観にどのような歴史があったか、
という解説をおこなった。
 
 当日はあいにくの曇りであったが、20名前後の参加者が来た。京都市動物園の坂本氏と京都市考古資
料館副館長の山本氏の講演の後に、私の先導で動物園内を歩き、景観を紹介していくというプログラム
であった。天気が曇りで肌寒かったため、他の客の姿は園内にあまり見られず、大人数を連れて歩くと
いうことが比較的おこないやすい状況であった。山本氏の講演の後、我々一行は氏の先導で園内の遺跡
を見て歩き、キリン舎の西側で案内が私に代わった。まずは琵琶湖疏水の話をするために、疏水が見え
る位置へと移動した。フラミンゴ舎の東側、疏水沿いの位置で琵琶湖疏水と白川の話をおこなった(写
真1)。参加者たちは白川に存在した児童プールの話題にかなり興味を持ったようだ。私としてもこの
ことは、デザイン研修として岡崎を調査するまでは知らなかったので、こうした機会にどんどん広めて
いきたいと思っている。










写真1 フラミンゴ舎横での解説の模様 

 続いて、そこからさらに東に向かい、チンパンジー舎の東側で南禅寺町船溜まりや疏水の担った役割 についての解説をおこなった(写真2)。南禅寺町船溜まりの噴水が高低差を利用した重力式噴水であ る話などは、あまり知られていないようで反応が良かった。また疏水を利用した舟運や発電が京都の近 代化を支えた、ということも解説した。疏水自体は知っていても、それがどのような役割を果たしたか は具体的に知られていない場合があるので、こちらもこういったまち歩きなどの機会で広めていきたい。 プチまち歩きの「動物園から見る岡崎」は以上の2か所からの説明をし、終了した。かなり短い距離、 約20分という短い時間であったが、参加者たちに少しでも知らない岡崎を知ってもらえたら幸いである。







写真2 チンパンジー舎東側での解説

 以上が岡崎プチまち歩き「動物園から見る岡崎」の簡単なレポートであるが、京都の中でも比較的知 られた観光地である岡崎に、いまだ知られていないことはまだ多くある。それを調べて発見していくこ とは大切であるが、それと同時にどのようにその発見した内容を周知し活用していくか、ということを このプチまち歩きを通じて改めて考えさせられた。  最後に、今回講演していただきました坂本英房さま、山本雅和さま、プチまち歩きの企画に賛同して くださいました藤井容子さまをはじめとした京都岡崎魅力づくり推進協議会の皆様、本当にありがとう ございました。