Research


主な研究テーマ

*研究成果の詳細は各教員のページをご覧下さい。See staff pages in ‘Member page’ for details. 


●宇治茶を特徴づける特質の解明

 (京都府茶業研究所との共同研究、写真:和束町の宇治茶畑) 

和束町の宇治茶畑

日本への茶の伝来以降、宇治茶の産地では、栽培地における風土や栽培に適応した個体が選抜されたと考えられていますが、宇治茶の遺伝的特徴はよくわかっていません。現在、SSRマーカーを用いた品種や在来種の分類や、茶の新芽の品質に関わる遺伝子座の探索を進めています。



●花菜の根こぶ病抵抗性に関する研究

 (生資センター応用研究部、乙訓農業改良普及センター等との共同研究、写真:収穫前の花菜)

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花菜という植物の根こぶ病抵抗性遺伝子に関する研究を行っています。実験室で葉から抽出したDNAの解析をしたり、温室で花菜の交配をするなどして、根こぶ病に強い系統を作ることを目的としています。



●東南アジアのミントに含まれる機能性香気成分に関する研究

  (京都府大・中村考志教授との共同研究、写真:温室栽培中のミント)

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ミントは香料やハーブとして世界中で広く用いられ、蓄えられる香気成分の種類や量により香りが異なります。東南アジアで栽培されるミントの一部には機能性の香気成分が多量に含まれる事があり、成分を多く含むミントの選抜と作出のため、現在、遺伝子に着目した成分の制御機構の解明とDNAマーカーによる分類に取り組んでいます。



●金時ニンジンの形質に関する研究

  (京都府農林センター園芸部、生資センター応用研究部等、写真:金時ニンジン)

金時ニンジン

金時ニンジンは「京のブランド産品」に指定される野菜であり、関西圏では馴染み深い食材です。特徴として鮮やかな赤い根色があり、赤色はトマトと同じ成分、リコピンによるものです。金時ニンジンは西洋ニンジンと比べて生産しづらいという欠点があるため、生産に有用な形質を選抜可能にすることを目標として研究しています。ニンジンは主要な野菜ですが、遺伝学的な研究に関しては非常に遅れており、現在金時ニンジンの形質や開花特性に関しての分子遺伝学的研究を進めています。




●花弁が曲がって咲く変化アサガオ「台咲」の原因解明

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日本の伝統園芸植物であるアサガオは葉や花が様々に変化することが知られており、総じて変化朝顔と呼ばれています。その中のひとつに、花びらが曲がって咲いてしまう「台咲」という変異体があります。花びらが曲がってしまうことで、花の中央に台のような構造ができてしまいます。この原因を調べたところ、台咲系統では、がく片と花冠表面にある分泌腺毛がうまく形成されず、花器官どうしの摩擦が生じて、力学的に花弁が曲がってしまうことが分かってきました。「花びらがまっすぐ伸びる」という当たり前のような現象が、実は植物の積極的なメカニズムによって高度に制御されていることが分かってきました。



●虫こぶの遺伝子発現解析と形態多様性に関する研究 

(京都府大・応用昆虫、育種、細胞動態学研究室との共同研究、写真:ヨモギハエボシフシ(オオヨモギ))

虫こぶは、昆虫などが植物に作る特殊な器官です。虫こぶの中には、内側は食料となる細胞、外側はシェルターになって中の昆虫を保護するように分化するものがあり、昆虫が植物の発生プログラムを操作して、自分に都合の良い組織を作っていることが伺えます。この「昆虫による植物操作能」を、遺伝子、細胞、生理学的に明らかにする研究を進めています。


●サギソウの花弁形態解析と系統解析


サギソウは日本の湿地に生息する野生ランの一種です。夏季に花を咲かせ、シラサギが翼を広げたような美しい花びらをもちます。このユニークな花びらを形作る機構を解明するため、新たな遺伝子の同定や発現解析に加え、細胞レベルで解析を行っています。また、生息域である湿地の埋め立てや乱獲によって野生のサギソウは姿を失いつつあり、準絶滅危惧種に指定されています。サギソウの保全に向け、無菌培養を用いた効率的な増殖法の確立に取り組んでいます。



●花弁のイニシエーションに関わる転写因子の機能解明(写真:花弁原器で特異的に発現する転写因子RBE)

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花弁のイニシエーション(初期発生)に関わる転写因子の機能を、シロイヌナズナを使って調べています。写真は花弁原基の数細胞で発現する転写因子RBEを、蛍光タンパク質GFPを使って可視化したものです。このように「遺伝子の発現」を目で見えるようにしたり、遺伝子の機能を自由に操作することにより、花が一定の形を作り上げる仕組みを研究しています。


●農作物栽培と食用昆虫による「環境循環型アグリシステム」構築 

昨今の地球・社会環境から、日本の農業は新しい局面、すなわち環境への負荷が極めて少ない、持続可能なシステムへと移行していかなくてはなりません。農薬や化学肥料を使わない「自然栽培」の科学エビデンスや、農業残渣で飼育可能な食用昆虫、これらを組み合わせた「環境循環型アグリシステム」の構築を目指した研究を始めています。


●その他の研究


・カブの類縁関係と農業形質に関する研究

・鹿ケ谷カボチャの遺伝解析

・植物ミトコンドリアの遺伝子転移に関する研究

・ハス、アンスリューム等の花もちに関する研究(タイの大学との国際共同研究)

・花卉園芸植物の老化遅延技術の確立


























研究テーマ イメージキャラクターたち(研究室学生作)

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