京都府立大学 大学院 生命環境科学研究科 環境科学専攻 循環型社会研究室

ごみ有料化


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最終更新日:2011年6月9日

 ごみ有料化に関する情報・文献を紹介しています。ごみ有料化について概説するとともに、2005年に中央環境審議会から出された意見具申についての解説、山川がこれまでに書いたごみ有料化に関する文献レビューなどの紹介、その他、ごみ有料化に関する文献レビューや書籍、特集などの紹介もしています。ごみ有料化に関するリンク集も作成しています。


ごみ有料化に関する記事の目次
  1. ごみ有料化の概説
  2. ごみ有料化に関するこれまでの研究成果
  3. ごみ有料化に関する国の方針
  4. ごみ有料化に関する書籍・文献レビュー・特集など
  5. ごみ有料化のリンク集

ごみ有料化の概説

【ごみ有料化の定義】

 ごみ有料化とは、ごみ処理費用の一部または全部を,ごみの排出者が税金とは別にごみ処理手数料として負担する制度を導入することを言います。単に有料化と言うこともあれば、ごみ処理有料化、ごみ収集有料化等とも言われます。基本的には同じものです。私は、有料化は有料制を導入することで、有料制という名詞が、上記のような制度の名称と考えて使い分けるようにしていますが、必ずしもそのように使い分けられていない場合もあります。なお、手数料の有無に関係なく有料指定袋制を有料制に含める場合もあります。

【制度概要】

 有料制は大きく従量制と定額制に分けられます。従量制とはごみの排出量に応じて手数料額が異なる制度のことをいい、一定枚数の指定袋等を無料で配り、それ以上は有料とする超過量方式(一定量無料制)という方式も、広い意味ではこちらに含められることがあります。一方、定額制とは排出量に関係なく一人あたりや世帯あたり等の手数料額が一定の制度のことをいいます。現在、単に有料化、という場合には、従量制有料化を指す場合が多いと思います。

 従量制の手数料徴収方法には、指定袋価格に手数料を上乗せする方法、手数料の証紙としてシール等を販売する方法などがあります。海外では、指定の容器があって、容器サイズや収集頻度で契約料金が異なる方法もあります。

【ごみ減量効果】

 1990年代以降、ごみ減量等を目的として家庭系ごみの従量制有料化が拡がっており、2000年代以降、さらに急速に増加しています。有料化を実施した自治体では、ほとんどの場合、有料化直後に収集量の減少が見られますが,その後は横ばいまたは微増の自治体が多い傾向にあります。しかし有料化しなかった場合と比較すればごみ量は通常は少ない傾向にあります。

 なお、現在も学会においては、有料化のごみ減量効果に関する研究が続いていますが、1990年代後半から2000年頃の導入自治体については、ダイオキシン問題に伴う自家焼却抑制の影響が見られる可能性があり、分析結果の解釈には注意が必要です。

【不法投棄・不適正処理】

 有料化を導入するとなると、常に懸念されるのが、不法投棄や自家焼却の増加です。確かに有料化導入後に不法投棄が問題になった自治体は少なくありませんが、有料化後に不法投棄が問題となっている自治体では従来から問題となっていた場合が多いことにも留意する必要があります。いわゆる不法投棄よりも、ごみステーションへの不適正排出が問題になることが多いようです。

【負担の公平性】

 一方,負担の公平化も有料化の目的としてしばしば挙げられています。確かに、租税による負担は集団的に見れば排出者が負担していることになっているものの、各個人においては排出量と負担との間に直接的な関係がないため、不公平という側面があります。その点、従量制有料化を実施すれば、ごみを出した人が出した量に応じて負担することになり、より公平な負担になると考えられます。

 なお、循環型社会の形成に向けて、拡大生産者責任をさらに適用していくことが重要だと考えられますが、その場合には、一次的には、ごみ処理費用やリサイクル費用を生産者が支払うことが求められます。その場合、税とごみ処理料金と生産者支払いとの間で、どのように分担されることが望ましいのかについて考える必要があります。この点は、製品の性質などにより異なるだろうと考えられます。

【二重取り】

 負担との関係では、有料化は税の二重取りであるため問題があるとする意見があります。しかしながら、税と手数料の2つの手段で費用を徴収することが問題であるというわけではないと考えられます。ここで問題とすべきは、負担増か否か、ということと、負担増の場合には、そのお金の使途はどうなっているのか、ということでしょう。「二重取り」という表現には騙し取ったようなニュアンスがありますが、その意味するところについてはよく考える必要があると思います。

 有料化の目的のひとつが財源調達であれば、負担増は自治体が公に宣言していることになります。その場合には、その使途を含めて、十分な合意形成が必要だと思われます。一方、目的が減量化など財源調達を含まないのであれば、先に述べた超過量方式としたり、収入額に応じた減税も含めて市民への還元策を考える必要があるでしょう。ただし、徴収した税額の比率で減税をするとすると、相対的に低所得者に不利になる可能性もありますから、還元策のあり方についても慎重に検討する必要があると思われます。

cf.なお、上記の解説は、『ごみの百科事典』(丸善,2003)の「ごみ有料化」の項目として執筆した記事に加筆・修正を施したものです。

ごみ有料化に関するこれまでの研究成果

 ごみ有料化についてのまとまった文献レビューや特集、著書などはいくつか出ています。このサイトでも、ごみ有料化に関する主な書籍・文献レビュー・特集などを紹介しています。私自身もこれまでに2度、共著でレビューを出しています。

 1996年のレビューは家庭系可燃ごみ・不燃ごみのごみ減量効果に関する議論を中心としています。2001年の方は、費用負担についての議論を始め、いくつかの論点について充実させるとともに、範囲も粗大ごみ、事業系ごみに拡げて整理しました。ただし、粗大ごみ、事業系ごみについてはあまり文献が見つからず、それほどボリュームはありません。

 そのほか、大阪府廃棄物減量化・リサイクル推進会議(現在、大阪府リサイクル社会推進会議)の報告書山川の学位論文など、山川の関係した研究成果が、このサイトの論文・著書等一覧のページにありますので、ご参照いただければ幸いです。abstructや本文がインターネット上で読めるものには、リンクが貼ってあります。


ごみ有料化に関する国の方針

 2005年2月に中央環境審議会から「循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について(意見具申)」(PDF)が出され、翌年、廃棄物処理法の基本方針(PDF)が改正されました。基本方針には、従来からごみ有料化を推進する文言が入っていましたが、さらにこれを強化した表現となりました。

 意見具申が出されるまでの報告と議論は、以下の会議の記録にあります。「議事要旨・資料」の方から、そのときの配布資料もダウンロードできます。専門のワーキング等を作っていませんので、議論は飛び飛びになっています。なお( )内は、意見を聞くために呼ばれた方・団体です。

 意見具申では、循環型社会構築のために、以下のような取組みが必要で、必要に応じて、廃棄物処理の基本方針でその方向性を示すべきとしています。
(1)循環型社会を目指すための基本施策の充実
(2)発生抑制・再使用の推進
(3)循環的利用の推進
(4)適正な処分の推進

 このうちの(2)の中で、市町村や民間団体の発生抑制・再使用の取組の支援、経済的手法(ごみ有料化)の導入による減量化の推進(同時に、負担の公平化、意識改革を推進)が示され、国が方向性を明確に示した上で、地域の実情を踏まえつつ、ごみ有料化の導入を推進すべきという意見が示されました。

 意見具申の中では、ごみ有料化が発生抑制に有効であるとし、料金設定のあり方、留意事項等についても書かれています。そして、国はこれらの留意事項に関する考え方、検討の進め方、これまでの知見等について、ガイドラインを取りまとめることにより、ごみ有料化を行う市町村の取組を支援していくことが望まれる、とし、さらに行政サービスの経費の一部を、租税ではなく、手数料により負担していくものであることから、その分担のあり方等について、今後検討していくべき、としました。

 この上記の意見を受けて、環境省は「廃棄物会計基準・廃棄物有料化ガイドライン策定検討委員会」を立ち上げ、2005年度、2006年度の2年間検討を進めてきています。初年度の報告書は、以下にあります。

 また、2007年6月にその成果物がでました。成果物は以下からダウンロードできます。

 



ごみ有料化に関する書籍・文献レビュー・特集など