微生物とは?

 生物の分類に、「微生物」というのはなく、肉眼で見えない生物の総称に過ぎません。生物学的には、原核生物である細菌、アーキアや、真核生物の菌界のカビや酵母のような多種多様な生物群を含んでいます。また、ウィルスが生物か非生物かは曖昧ですが、微生物に含むこともあります。

 微生物が関わる現象は、発酵、腐敗、感染症の3つ大別できます。従って、微生物学を扱う学問としては、、発酵学、醸造学、環境微生物学、感染症学、免疫学、応用微生物学などがあります。

 

発酵生理学(2024年度の講義)

  微生物とは、微小な生物の総称である。微生物が引き起こす現象には、発酵、腐敗、感染症(疾病)などがある。本科目では、その中で「発酵」に焦点を当てる。講義では、カビ、酵母、細菌などの微生物の分類、生態、生理、代謝、遺伝などの基礎的事項を学ぶとともに、発酵や微生物による物質生産を細胞・遺伝子・分子レベルで理解することを目的とする。 

1.微生物学の歴史と応用微生物学
2.微生物機能を利用する産業~発酵産業~

3.
微生物機能を利用する産業~微生物変換/今後の展開~
4.微生物の分類および形態
5.微生物の生態および生理
6.微生物の代謝~代謝と化学エネルギー~
7.微生物の代謝~呼吸と有機炭素の酸化的代謝/嫌気呼吸~
8.
微生物の代謝~無機物を電子供与体とする呼吸など~
9.
微生物の代謝~アミノ酸発酵/核酸発酵
10.
微生物の代謝~脂質代謝~
11.
微生物の代謝~二次代謝/代謝制御/抗生物質~
12.
微生物の遺伝・育種~微生物の遺伝学/遺伝子工学~  
13.微生物の遺伝・育種~微生物のスクリーニングなど~  
14.物質生産~発酵生産と酵素利用技術など~         
15.物質生産~醸造および発酵食品~             

 

応用微生物学(2024年度の講義)

  発酵生理学で学んだことを基礎として、より応用的な内容を扱う。 微生物が、人の健康、農業、自然環境に及ぼす影響など(微生物が関わる現象)を、細胞・分子・遺伝子レベルで深く理解することを目的とする。 

1.微生物学の歴史と応用微生物学
2.微生物が関わる物質循環(1)

3.微生物が関わる物質循環(2)
4. 生物間相互作用

5. 生体異物に対する適応機構
6. 基礎免疫学(1)
7. 基礎免疫学(2)
8. 微生物の生物学的利用(免疫)
9. タンパク質の微生物を用いた異種発現
10. 微生物の生物学的利用(農業)
11. 環境問題を解決するために(1)
12. 環境問題を解決するために(2)
13. 環境問題を解決するために(3)
14. 微生物のゲノム情報の利用
15. まとめ(総復習)