生物材料物性学研究室

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実験設備当研究室でよく使用している実験機器とその説明です。
研究室兼実験室
示差走査熱量分析装置(DSC)
 DSCは、試料に発生した熱エネルギーの変化を再現性よく、定量的に検出する手法です。試料の融解,ガラス転移温度,結晶化,硬化挙動から比熱測定,酸化誘導時間測定まで様々な分析が可能です。 温度プログラムされたヒータを用いて 熱伝導性の良い材料で作られたヒートシンクを昇・降温します。ヒートシンクからの熱は、一定の熱抵抗を介して、サンプル(S)側とリファレンス(R)側 各々のホルダーに載せられた容器内に伝えられます。サンプルやリファレンスに比べ ヒートシンクの熱容量は大きく しかも精密に温度制御されていることから サンプルとリファレンスに流れる熱流の差は、サンプルホルダとリファレンスホルダの温度差に比例します。この温度差信号を検出し、DSC信号として出力します。 まだ新参者の装置なので院生がつついて様子を見ています。
熱重量・示差熱分析装置(TG・DTA)
 熱重量分析(TG)は、温度を変化させながら,または一定温度にした状態で生じる試料の重量変化を、試料の温度,または時間に対して、熱天秤により連続的に検出記録する手法です。固体,液体のあらゆる物質が測定対象となり、試料の酸化,還元,分解挙動,耐熱性の評価,付着水や結晶水の定量 ,灰分量など様々な目的に用います。 本研究室のTG装置は、示差熱分析(DTA) と組み合わせた装置であり、重量変化に伴う現象が吸熱又は発熱のいずれの反応であるか,またDTA曲線の変化が質量変化を伴うか否かの判別が可能となります。お隣にDSCがきたためにみんなの注目がそっちに行ってしまったため少し寂しそうです。
熱機械分析装置 (TMA)
 TMAは、試料の温度変化に伴う形状変化を非振動的な荷重下で測定する熱分析法です。荷重発生部からプローブを介して試料に荷重を与えながら、 加熱炉にて試料温度を変化させます。温度変化に対応して、試料の熱膨張や軟化等、試料に変形が生じると、変形に伴う変位量がプローブの位置変化量として、位置検出部で計測されます。TMAには、荷重のかけ方とプローブの形状により3種類のモードがあり、測定目的、試料形状に合った測定モードを選択する必要があります。
誘電型粘弾性測定装置(SDM)
 
 
ガスクロマトグラフ(GC)
 ガスクロマトグラフは、気体を移動相(キャリア)とするカラムクロマトグラフです。 キャリアには、ヘリウムや窒素等の不活性なガスを用います。試料は、試料導入部で気化され、カラムに入ります。試料中の各成分と、カラム内の固定相との親和力(吸着性、溶解性、化学結合性)の差を利用して分離を行います。高分離能、高感度(ppbオーダー:1ppbは0.000001g/L)な手法なので、多成分系混合試料、微量含有成分の定性、定量分析に用います。本研究室では現在木粉試料に各種混合有機液体を含浸させてその前後の濃度変化から木材の吸着性を調べる研究に使用しています。ガスクロマトグラフは、液体クロマトグラフと比べて、分離能が高く、迅速な分析が可能ですが、気化し難い試料、熱に不安定な試料の分析は困難であるという弱点があります。
液体クロマトグラフ(LC)
 液体クロマトグラフは移動相に液体を用いるカラムクロマトグラフです。ステンレス管などに充填剤(固定相)が詰められたカラムに液体(移動相)を流すことで、多成分混合試料中の各成分をカラム内で個々の成分に分離し、定性、定量分析を行います。GCと同様に、試料中に含まれている有機物濃度の測定に用いています。GCより高分子量また不揮発性のものまで測定できるため、GC・LCの組み合わせにより、広範囲なな有機物測定が可能となっています。しかし、GCと比べると測定が難しく、本研究室で用いるような混合成分物質の場合、キャリアによって抽出成分が溶け出し目的の成分のピークと重なるという難題が残っています。
 
フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)

 分子はそれぞれ固有の振動をしています。そのような分子に、連続的に変化させた赤外線(infrared:IR)を照射してゆくと、分子の固有振動と同じ周波数のIRが吸収され、分子の構造に応じたスペクトルが得られます。(赤外光によって発生する干渉縞からスペクトルへの変換の際に、フーリエ変換というコンピューター処理を行うので、この装置をフーリエ変換赤外分光光度計と言います。) 本研究室のFT-IRは顕微赤外測定において、CCDビデオカメラを通じて試料を観察した後にその部分のデータをそのまま収集するも可能です。扱う試料が多成分高分子材料なのでベースラインを引くのが困難だと現使用者は嘆いております。透過法の他、ATR法での測定装置もあります。

 
オートソーブ(AS-1)
 ガス(N2、Ar、CO2、C4H10他)を固体試料に吸着させてその比表面積を0.0005m2/g以上(Kr吸着)、細孔分布を0.7<D<500nmの範囲で測定する高性能・多機能型測定装置。 本研究室でなかなか使いこなせる人は現れませんが、それでも卒業生(→写真)の「木・竹炭の空隙構造の解析方法」として、その操作マニュアルは後輩達に受け継がれ装置もしっかり活躍中です。
反射型光学顕微鏡・CCDカメラシステム
 反射型光学顕微鏡にCCDカメラを取り付けることにより、顕微鏡をのぞき込まなくてもモニターで試料の観察が行えるようにした装置です。現在は、主に木材中への液体浸透挙動をビデオに録画して直接観察するために用いており、この画像や動画をパソコンに取り込むことで解析・測量等がぐっと楽になっているためたいへん便利です。
随時更新中
 
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