研究内容


 イネ白葉枯病は世界の稲作地帯で発生が見られるイネの細菌病害であり、イネ白葉枯病菌によって引き起こされます。本細菌は、イネの葉の水孔や傷口から侵入し、導管内で増殖するとともに、多糖を分泌することで導管を閉塞させ、葉枯れや萎凋症状を引き起こします。とくに熱帯アジアやアフリカではその被害が深刻です。
このように深刻な被害を引き起こす病気ですが、イネ白葉枯病の発病機構や病原性因子に関する知見は乏しく、他の植物細菌病害と同様、有効な防除薬剤が開発されていません。 そこで、我々のグループでは、新たな防除薬剤・防除法を開発するための基礎的資料を得ることを目的として、白葉枯病のイネ葉内での増殖機構の解明を試みるとともに、分子生物学的手法を用いた病原性関連性遺伝子の同定、さらにそれらの遺伝子の機能解析について研究を行っています。
 また、新規薬剤の防除効果の検討も行っています。

イネ白葉枯病菌の電子顕微鏡写真