修了生+卒業生>青木香澄



卒業研究(作品) 森をかけぬける/自然に連なる駅舎と美術館の設計

設計趣旨
 建築は人工物であり、人間の都合の良い寸法、角度、形でつくられる。それゆえ、多くの建築は工学的にすぐれたものであるが、直線的で無機質である。また一方で、人は複雑で豊かな自然を好み、やすらぎを求めてきた。自然の性質を建築にとりこみ、人工的な建築と自然の関係を近づけることで、人にとって心地の良い建築ができるのではないか。また、人工的な建築の中で、自然の性質を感じることができるおもしろみが、人に刺激をあたえるのではないか。
 本研究では、人にとってより心地の良い建築をつくるために、自然の性質をとりこんだ建築の可能性を検討し具体的な計画案として提示することを目的としている。
 自然とは、人為が加わってない、あるがままの状態をいう。また、山、川、海などのことを指していることもある。しかし、この山、川、海には、人間の生産活動によりなんらかの人為が加わっているともいえる。ここで取り上げる自然は、人の手が加わることにより健全な状態を保っている、森である。健全な森にするには間伐が必要不可欠であり、間伐をすることにより森は明るくなり、木は大きく育つ。
 このような森の性質を、人工の建築に取り入れることで、周囲の森と連なる心地の良い空間ができあがると考えた。