修了生+卒業生>藤川さつ紀



卒業研究(作品) 壁の建築/外部都内墓の連続性を主題とした設計

設計趣旨
 建築の構造は、柱や梁といったフレームによるか、面によるかで分けられる。前者の柱や梁が主体となった建築は軽快さ、構成の高い自由度、大きな開口による透明性といった特質をもつ。
 一方、後者の面が主体となった建築は、壁や床、天井といった要素があげられる。特に「壁」という建築を構成する要素は、多くが地面から真っ直ぐに立ち上がり、壁が建つ時のスケールの違いによって、空間に対する建築物の垂直性や水平性といった印象の捉え方は様々である。
 壁はある空間を内と外として分けたり、複数の異なる空間をつなぎ合わすことができる。また、外部空間に壁を囲い、屋根や床などが設置されることによって、外部空間であっても、内部化されたような印象を与える空間をつくり出すことができる。そのような場に、人は憩いを求めて集まり、読書や食事などの行動をとる。このような行動が外部空間において起こる場は、一種の内部化された空間ともいえる。
 本研究は、建築の構造の要素である壁の扱いに着目し、空間の質を発展させることを目的とし、内部空間と外部空間の新たな可能性を導く、具体的な施設の計画・設計案として提示する。