修了生+卒業生>藤原悠



卒業研究(作品) 対峙の場/地と人が自然に還る樹木葬斎場の計画

設計趣旨
 死を伴う体験はどのように人々と向き合われ、人々の記憶に残されるべきなのだろうか。現代の日本では死に伴う体験である葬儀・火葬・埋葬の流れが分断され、あやふやな体験となっている。そのような体験は残された人々と故人との向き合い方として相応であるのかと疑問を抱く。故人と向き合う場を構想する場合、葬儀・火葬・埋葬という死に伴う体験は一連の流れとして、人々の記憶に残されるべきであると考えることができる。また、現在の日本では墓石の代わりに樹木を墓標とする樹木葬などの自然葬へのニーズが高まり、埋葬方法が多様化している。そのような多様化する埋葬方法により、現代の葬斎場・火葬場における体験と墓地における体験に差が生まれ、死に伴う体験をより顕著にしている。分断された死に伴う体験を一連の体験とし、その体験と向き合う場「対峙の場」を探求することにより、死に伴う体験が人々の記憶に残る樹木葬斎場が計画できると考えた。