修了生+卒業生>池本紗綾香



卒業研究(作品) オーロラ/気配を主題とした建築の設計

設計趣旨
 情報化社会の到来とともに人と人とのかかわり方が変化し、他者との実際の距離を意識することが少なくなった。このことが犯罪の若齢化などのさまざまな問題につながるように思われる。しかしそのような現代においても、人は様々な物体を介して「気配」を感じることで無意識のうちに他者との距離を測っているのではないだろうか。気配という要素を取り込んだ建築を計画することで、情報化社会の人と人とのかかわり方を見つめ直すことはできないものか。
 出入り口を含めた壁面全体を縦置きのルーバー状の部材で構成した待ち合わせ場所を設計した。利用者は軸を中心に回転する縦ルーバーを開閉して内部空間に入る。利用状況によって縦ルーバーは様々な角度に開閉された状態でとまることから建物壁面の表層が変化し、人が利用した空間の気配が物理的な形として残るよう意図している。