設計趣旨
世界中の雑誌が創刊号から最新号まで集まる場所「ホンノモリ」。それは武蔵野の雑木林の中に、ひっそりと佇む。
忙しく過ぎ行く日々の中で、私たちは自然という存在をどれだけ感じて生きているのだろう。人間も自然の一部であるということ。その前提の上に、自然と建築とが対立することなく、むしろ互いにその存在を引き立て合い、一体となるような場所を提案したかった。
雑誌は紙からつくられる。そしてその紙は木からつくられる。雑誌を円筒状に束ねて、積み上げるとホンノキになる。ホンノキは雑誌毎につくられ、木立のようにランダムに並べられる。ガラスの壁がホンノキの木立を取り囲むようにして立つ。周囲の雑木林が建物の内部に現れる。
雑誌の発行が進むにつれ、ホンノキは高さを、本数を増していく。そしてホンノモリは雑木林の中を編み込まれるように拡張していく。