修了生+卒業生>諸見里真吾



修士研究(作品) 建築における自然環境との調和のための3つの建築手法

設計趣旨
 近代文明や産業技術による人工環境の発達により、我々の生活は豊かなものになった。特に近年の情報技術、輸送技術の発達は、それを加速させている。このような人工環境の広がりは甚だしく、自然環境に大きな影響を及ぼしており、私たちは建築行為によって自然環境を破壊しながら、人工環境を拡大し続けていると言っても過言ではない。このまま自然環境を省みず人口環境の拡大を続けてしまっては、人間はいずれ自らの首を絞めてしまうことになるのであろう。
 しかしそれと同時に建築という行為は、自然環境と人間をつなぐものともとらえることができる。それゆえ、建築物と自然環境とをどのようにして関係づけていくかを考えることは、建築設計者にとって大きなテーマのひとつであると言える。  本研究では、建築における自然環境との調和のための建築手法を複数考案し、そのプロトタイプとして建築物を計画することで、自然環境と人間を結びつけた空間をつくりだすことを目的とする。
 自然環境から導きだされる建築手法として(1)「自然環境との融和」(2)「自然環境の誘導」(3)「自然環境の復元」の3つを提案する。それぞれの手法を用い、プロトタイプとして、実際に敷地を想定した上で、森の劇場、川の彫刻美術館、丘の資料館を計画した。