設計趣旨
ヒートアイランド現象や地球温暖化など、化石燃料エネルギーの使用に由来する環境破壊は国際的な問題に発展している。本研究では,エネルギー起源の二酸化炭素の排出抑制対策となるパッシブ手法による建築の省エネルギー化を検討する。これまで以上に敷地のもつ環境・風土に適合する新しいパッシブデザインを開発し、省エネルギーによる環境負荷の低減を可能とする建築デザインを具体的なモデルケース計画案として提示することを目的とする。
また建物内に風を積極的に引込む計画とした。建物内に風の道を創りだすことにより室内の通風を活発化させ、自然換気促進を図る。また冬期は通風を遮断し、室内の温暖化を計る。このように通風をコントロールすることにより、四季に対応した空間を構成する。
さらに建物の内部空間をひとつながりの大空間とする事により、内部の気流の移動を可能とした。つまり壁で完全に仕切るのでなく、300㎜間隔で格子状に連続する柱により、諸室を区別した。この隙間を通じて、諸室間の空気移動が行われる。