設計趣旨
「橋」という場は自然の流れと人の流れが交差する場であり、橋を渡るという行為には潜在的に自然と接する機会が多く含まれている。「橋」という場を、ただ通り過ぎるだけの場でなく、私たち現代人と関わるひとつの重要な建築空間と捉える。人々が橋を渡るという行為の中で自然と出会い、ふとたちどまり、自然に心動かされながら自然の流れを再認識することのできる場としての価値を与えた、ひとつの新しいかたちの橋を提案する。
自然の様々な現象、変化、自然そのものの持つ魅力を整理し、「雨」「風」「景色の広がり」「普遍の流れそのものの持つ力強さ」「太陽と月の軌道」「自然の中にある力学の原理」「自然そのものの粗野な美しさ」、以上7つの要素を取り上げた。この7つの自然の魅力に出会える、7つの橋…。この7つの橋はモデルケースとして提案し、ある一本の川の上流から下流にかけ点在させた。橋を渡る者に様々な自然の現象や変化、自然そのものの持つ魅力に出会うきっかけを与えることで、その出会いに心動かされ、自然の流れを感じ再認識することを期待している。