修了生+卒業生>鷲尾和哉



卒業研究(作品) Multipurpose Station/通過する場から集う場へ

設計趣旨
 かつて駅は近代のさきがけであった。旅人やそのまちの住人など様々な人々の出会いの場であり、交流の場であった。高度成長期以降は人やものを運ぶ手段としての位置づけになり、画一化が進んだ。その結果、駅は合理的で通路的な空間構成となった。本来、駅という空間は単なる交通の結節点としてだけでなく,地域活性の拠点としても大きな影響力をもつものである。
 本計画では駅に美術館を一体的に複合させることにより、多目的で人間性のある「場」を創造すること目的とした。改札を設けないことによって誰もが自由に出入りし、様々な活動を通して交流の場が生まれ、駅がまちの「かお」となるよう意図した。デザイン手法にも特徴があり、配置した2つの美術館棟は垂直方向に積層する空間構成を水平方向に連続する空間構成に置き換えることが可能である。