京都府立大学大学院生命環境科学研究科 環境科学専攻 森林資源循環学研究室 本文へジャンプ
研究内容

●イオン液体処理技術による木質バイオマスからのバイオ燃料、有用バイオ材料

イオン液体は、塩であるにもかかわらず常温付近で液体であり、溶解力に優れ、揮発性が極めて低いため有害なガスを発生しない。このような特性をいかしたイオン液体の反応溶媒としての利用が、近年注目されている。当研究室では、イオン液体反応系にて、木質バイオマスの構成成分であるセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを効果的に化学変換し、有用なバイオ燃料やバイオ材料の創製を行っている。


<関連文献>
・A. Nakamura, H. Miyafuji, and S. Saka (2010) Influence of reaction atmosphere on the liquefaction and depolymerization of wood in an ionic liquid, 1-ethyl-3-methylimidazolium chloride., Journal of Wood Science 56(3), 256-261.
・H. Miyafuji, K. Miyata, S. Saka, F. Ueda and M. Mori (2009) Reaction behavior of wood in an ionic liquid, 1-ethyl-3-methylimidazolium chloride., Journal of Wood Science 55(3), 215-219.


●森林の物質生産・蓄積量評価,根系の動態

根系全体は深さ約1〜2m程度の土壌に分布していますが,機能及び構造ので太い根(根株含む)と細い根に分けられます.太い根は肥大成長により年輪をつくって少しずつ成長しほとんど死なないのに対し,細い根は寿命が数ヶ月から数年程度と短く,頻繁に成長と枯死を繰り返しています.これら2種類の根を合わせて根系全体の生産量を求め,これまであまり注目されてこなかった地下部の根の挙動に光を当て,さらに地上部の値と比較することをスギ・ヒノキ人工林や広葉樹林で測定してきました.最近では分布拡大が懸念されるモウソウチク林のバイオマス調査も始めました。これからも地下部根系が森林の物質生産・物質循環に与える影響に着目しつつ研究を進めていきます.



※最近の修士論文・卒業研究のテーマ


水辺域に生育する樹木根系の成長解析(修士論文)
異なる斜面位置に生育する高齢ヒノキ林の物質生産
竹林の二酸化炭素貯留量
クロマツ林での表層土壌除去試験
細根の形態の樹種特性
年輪解析によるヤナギ群落の成長量評価