知的障害者を抱える家庭の住まいや住み方の工夫

家庭での事故を防止するための、家族の手による工夫

   
スライドドアを思い切り閉めるので困っていた
 ※「HPアンケート」で、ご家族の方からよせられた工夫を紹介します(ほぼ原文通り)
困っていたこと
スライドドアを思い切り閉めるので手をはさまないか心配でした。また閉めたときの音が大きく、うるさかった。

工夫の内容と効果について
スライドドアで手をはさまないように、ドア枠の一番端上部に布団バサミを挟む。とっても簡単で、ローコストですよ。布団バサミにコーナークッションなどを張ると騒音防止になり、耐久性もアップします。ベランダに出るときなどもつけておけば、室内の子供がイタズラで鍵を閉めてしまうのを防止するのにも役に立ちます。
  
◆ガスコンロで火災をおこす危険があった
困っていたこと
 
次のようなケースで、家族は火事の心配をしていた。
@本人が、調理をするようになったのはよいが、ガスコンロでは火事をおこすかもしれない、と家族は思った
A本人が、母親のマネをして、家族が知らない間に、ガスコンロで遊んでいることがあった。

工 夫 の 内 容
 
ガスコンロを電機調理器に変えた(オール電化にした)
※火災防止に関しては、本人がライターなどで火遊びしようとするので、ライターなどは、カギ付きの引き出しにしまっているケースがあった。

◆浴室でおぼれる危険があった
困っていたこと
 
本人は、水遊びが好きで、家族が知らない間に浴室で遊んでいることがあった。浴室で、おぼれる危険があった。

工 夫 の 内 容
 
次のような工夫をしている家庭があった
@入浴時以外は、浴槽に水をためないようにしているケース
A浴室の外からカギをかけておいて、本人が浴室に入れないようにしているケース
B使用時以外は、水道のじゃ口を取り外しておくようにしているケース

◆扇風機などに指をつっこもうとするので困っていた
困っていたこと
^本人が、扇風機に指をつっこもうとすることで困っていた。
_本人が、ファンヒーターに指をつっこもうとすることで困っていた。

工 夫 の 内 容
^扇風機からクーラーに変えた。
_ファンヒーターに市販のストーブガードを取り付けた


※ちなみに右の写真は、ドアで子どもが指を挟まないようにするための牛乳パック製のガードです(子ども事故予防センター・池袋保健所2F)。

◆自室の壁で頭を打ち付けることで困っていた
困っていたこと
 
自室の壁や柱などに頭を打ち付ける行為があるため、大ケガをする危険があった。
工 夫 の 内 容
 
次のような工夫をしている家庭があった
@壁材にクッション性のあるグラスウールを使用したケース
A壁材に壊れやすい(やわらかい)石こうボードを使用したケース
B柱にクッションを貼り付けたケース

◆階段で家族を後ろからいきなり押すことがあった
困っていたこと
 
本人は、イライラしたときなどに、階段で家族を後ろからいきなり押すことがあった。 →→家族が、階段下に転落する危険があった。
工 夫 の 内 容
 
階段に手すりを取り付けた。

◆屋内での飛び跳ねなどに関して困っていた
困っていたこと
^本人が家の中を飛び跳ねるため、階段下やリビングの床に穴が空いてしまった。
_本人がテレビの上に載ったときに、テレビ台からテレビと本人が一緒に落ちたことがあった。
`ベッドの上で、飛び跳ねるので、ベッドが壊れた
aよく転ぶので、転んだ拍子に机の角などで頭をぶつけてケガなどしないかと、家族は心配していた。


>>市販のエッジガードの写真<<
  
注)最近では、100円ショップなどでも
似たような商品が売られていますよ
工 夫 の 内 容
^床を補強した(床板を二枚敷きにしたなど)
_テレビをホームラックの中に収めた。
`ベッドと布団の間に、板を敷いてベッドを補強した。
a机の角などにスポンジ(または市販のエッジガード)を貼り付けた。

  
    

このホームページの作成者
京都府立大学福祉空間計画研究室
◇西尾 幸一郎(指導教授:水野弘之)
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