知的障害者を抱える家庭の住まいや住み方の工夫

パニック・ヒステリーで困っていたことと、家族の手による工夫

 
自分の気持ちがコントロールできず困っていた
 ※「HPアンケート」で、ご家族の方からよせられた工夫を紹介します(ほぼ原文通り)
困っていたこと
パニックなど自分の気持ちのコントロールが出来ない。

幼児用対面ブランコの写真
工夫の内容と効果について
二歳〜三歳の頃。二歳になってからパニックと睡眠障害がひどい。ベランダにあった幼児用対面ブランコを四畳半の使っていない室内に置いた。パニックなったら親が乗せて押した。その内パニックになったら自分から乗って(自分で)揺らすように。不安定な時は一日何時間も自分からで乗っていた。そのうち寝付いたりしていた。だんだん乗っているうちに機嫌が直ることが多くなった。

◆本人は、自宅の外から聞こえてくる雑音で調子が悪くなることがある
困っていたこと
 
本人は、音の刺激に敏感で、自宅の外から聞こえてくる雑音で、調子が悪くなることがあった。

工 夫 の 内 容
 
自宅の外からの音を遮るために、二重窓に取り替えた。
 
 
 
 

◆パニックになりそうになったときの、自己コントロールについて
困っていたこと
 
日常生活の中で、本人は、時々パニックになることがある。

工 夫 の 内 容
 
パニックになりそうになると、本人は、自らクールダウンのための空間(本人の自室・押し入れ・戸棚の中など)に入って、自分の状態が落ち着くまで一人で過ごす(※パニックにならないようにするための自己コントロール)

◆自室の壁で頭を打ち付けることで困っていた
困っていたこと
 
自室の壁や柱などに頭を打ち付ける行為があるため、大ケガをする危険があった。
工 夫 の 内 容
 
次のような工夫をしている家庭があった
@壁材にクッション性のあるグラスウールを使用したケース
A壁材に壊れやすい(やわらかい)石こうボードを使用したケース
B柱にクッションを貼り付けたケース

◆大きな声をだすことで、困っていた
困っていたこと
 
本人はパニックになると、しばらく大きな声を出すので、家族は困っていた。

工 夫 の 内 容
次のような工夫をしている家庭があった。
@窓を全て二重窓に取り替えた。
A本人が家にいる間は、1階部分の窓を閉め切っておく。
B本人が家にいる間は、雨戸を閉め切っておく。

◆イライラした時に、ガラスの扉を叩いて、割ってしまった
困っていたこと
 
イライラした時に、ガラスの扉を叩いて、割ってしまった(本人にとって危険)
工 夫 の 内 容
 
扉のガラスをアクリル板に取り替えた。

◆室内でものを投げるため、電灯が割れる危険があった
困っていたこと
 
本人は室内でものを投げる(いつもではなく突発的に)。その投げたものが電灯にあたる危険があった
工 夫 の 内 容
 
ものがあたっても電灯が割れないように、電灯にカバーを取り付けた

  
    

このホームページの作成者
京都府立大学福祉空間計画研究室
◇西尾 幸一郎(指導教授:水野弘之)
〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町
E-MAIL nishio26@yahoo.co.jp(西尾宛)