知的障害者を抱える家庭の住まいや住み方の工夫

多動・飛び出しなどで困っていたことと、家族の手による工夫

  
塀を越えて隣の家に入っていくことがあり困っていた
 ※「HPアンケート」で、ご家族の方からよせられた工夫を紹介します(ほぼ原文通り)
困っていたこと
マンションで塀を越えて隣のうちへ入っていって、とても叱られました。
  

工夫の内容と効果について
ベランダの塀に鉢植のサボテンを引っかけておくようにしたらおさまった(鉢は、ホームセンターで買ってきた金具で固定)

  
◆家の中をウロウロと歩き回るので困っていた
困っていたこと
 
本人は、いつも家の中をウロウロと歩き回るので、家族は困っていた。
工 夫 の 内 容
 
本人専用のソファを置いたところ、ウロウロとした後で、ソファに落ち着くようになった(家の中をウロウロとする時間が少なくなった)

  
◆屋内での飛び跳ねなどに関して困っていた
困っていたこと
^本人が家の中を飛び跳ねるため、階段下やリビングの床に穴が空いてしまった。
_本人がテレビの上に載ったときに、テレビ台からテレビと本人が一緒に落ちたことがあった。
`ベッドの上で、飛び跳ねるので、ベッドが壊れた
aよく転ぶので、転んだ拍子に机の角などで頭をぶつけてケガなどしないかと、家族は心配していた。
工 夫 の 内 容
^床を補強した(床板を二枚敷きにしたなど)
_テレビをホームラックの中に収めた。
`ベッドと布団の間に、板を敷いてベッドを補強した。
a机の角などにスポンジ(または市販のエッジガード)を貼り付けた。

◆本人が、衝動的に家の外へ飛び出すことがあるので困っていた
困っていたこと
 
本人は多動のため、両親が目を離した隙に、子ども部屋から家の外に飛び出すことがある。家の前には、大きな道路があるので、家族は心配されていた。
工 夫 の 内 容
 
両親は、子ども部屋の開口部に柵格子を設け(右図)、本人が両親の知らないうちに家の外に出ていってしまうようなことがないようにした。

※飛び出しに関連して、他にも次のような工夫をされているケースがあった。
@本人が外に出ようとした時に、家族がその気配に気がつくことができるようにする工夫
 ・玄関ドアに、ベルをぶらさげた
 ・玄関ドアに、本人が開けるまでに少し時間がかかるようなカギを取り付けた
   
→→または複数のカギを取り付けた
 ・玄関ドアのチェーンカギをいつもかけておくようにしている。

A本人が一人で外に出られないように玄関ドアやその他の出入り口にカギを取り付けた。
   →→カギは両親が保管し、そのカギがないと他の人は外に出られない。
B万が一、本人が迷子になったときに備えて、発信器(本人の現在位置が検索できるシステム)を携帯させるようにしている。

 


    

このホームページの作成者
京都府立大学福祉空間計画研究室
◇西尾 幸一郎(指導教授:水野弘之)
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