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関連論文:
(3)Nakai et al.(2010) Agricultural and Forest Meteorology, 150, 1225-1233.
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(文責=クレーム先: 隅田明洋)
新しい定義の群落高 CuBI height
を樹高と直径のデータから
計算してみよう
<<< CuBI heightの計算 >>>
ここでは、統計解析のフリーウエアである[R]を使って、樹高と胸高直径のデータ(実際のデータをすこし改変したもの)にリチャーズ関数をあてはめ,
(A) 実際にCuBI heightを求める
(B) さらに、bootstrapによってCuBI heightの信頼区間を求める
を実行し、結果をグラフで視覚的に示すサンプルプログラムを公開します。
= 準備 =
(1) いずれの場合も、まずサンプルデータ(個体番号、樹高、胸高直径のはいったcsvファイル)をダウンロードしてテキトウなディレクトリ(デスクトップでもどこでもOK)にcsvファイルとして保存しておいてください。ただし、ファイル名は変えないでください。 次のファイルです。
「TreeDataSample.csv」
(A)をやりたい場合は、次のファイルをダウンロードしてください。
「RichardsFittingSample.rtf」
(B)をやりたい場合は、次のファイルをダウンロードしてください。
「RichardsBootstrapSample.rtf」
(2) csvファイルと、上のA,B,または両方のダウンロードが終わったら、AやBを文章編集ソフトで開いてください。私はWindowsに附属しているワードパッドを使っており、上のrtfファイルもそれで書きました。
= 方法 =
[R]はフリーの統計ソフトウエアで、誰でも無料でダウンロードして使うことができます。Rをまだインストールしていない人は、 http://www.okada.jp.org/RWiki/ の 「R のインストール」の項目などを参考にして最新版をインストールしてください。必要なくなったらいつでもアンインストールできます。
A, Bいずれの場合も、やり方はrtfファイルのはじめのほうにいちおう書いてありますが、
Rをダウンロードしたけれど使い方をまだ知らない人、使い方は知ってるけれどいちいち読むのがめんどくさい人は、次の手順でも実行できます。
(2a)Rを起動した後、R画面左上のメニューの「ファイル」→「ディレクトリの変更...」を選択し、
ダウンロードした「TreeDataSample.csv」を保存したのと同じディレクトリを指定して
「OK」を選択してください。
(2b)あとは、AまたはBのrtf文章全体をまるごとコピーし、R consoleにペーストしてください
これで実行が始まります。
このプログラムを走らせることで新たにファイルが生成されたり消去されたりすることはありません。
プログラムが走っている途中でやめたいときはエスケープキーをおせばいつでもとまります。
では、遊んでください。(おしまい)
簡単な解説:
研究紹介(1)のページにもあるとおり、個体の樹高hとその個体までの積算胸高幹断面積G(h)との関係を近似するリチャーズ関数は
という形をしています。ここで、A、Bはh-G曲線の上限および下限値、νとkは係数です。
上のRのプログラムで、CuBI heightを求めるため、この曲線をh~G(h)データに対して非線形回帰という方法であてはめさせています。この回帰の結果算出されるhcの値が CuBI height です。
(A)では、個体番号、樹高、直径のはいったサンプルデータを使って CuBI height やそのほかのパラメタを実際に計算させ、図示しています。
(B)では、このようにして計算した CuBI height の95%信頼範囲をノンパラメトリック
ブートストラップ法で計算するプロセスの図示(手順2)と、その結果の表示(手順3)を行っています。(「手順2,3」の説明は RichardsBootstrapSample.rtf に書いてあります。)
ブートストラップ法では、繰り返しを許して個体をランダムに個体数分(400個体分)取り出し、その400個体の樹高と直径を使って非線形回帰でhcを計算させる、というプロセスを100回 (実際の論文では1000回)繰り返しています(手順2)。この方法で出てきた100個のhcの頻度分布と、95%のデータ区間を表示します(手順3)。
これらの手順について詳しいことを知りたい方は論文3をご覧ください。
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