研究テーマ(久保)
宇治茶を特徴づける特質の解明
日本への茶の伝来以降、宇治茶の産地では、栽培地における風土や栽培に適応した個体が選抜されたと考えられていますが、宇治茶の遺伝的特徴はよくわかっていません。現在、SSRマーカーを用いた品種や在来種の分類や、茶の新芽の品質に関わる遺伝子座の探索を進めています。(京都府茶業研究所との共同研究)
東南アジアのミントに含まれる機能性香気成分に関する研究
ミントは香料やハーブとして世界中で広く用いられ、蓄えられる香気成分の種類や量により香りが異なります。東南アジアで栽培されるミントの一部には機能性の香気成分が多量に含まれる事があり、成分を多く含むミントの選抜と作出のため、現在、遺伝子に着目した成分の制御機構の解明とDNAマーカーによる分類に取り組んでいます。 (京都府大・中村考志教授との共同研究)
花菜の根こぶ病抵抗性に関する研究
花菜という植物の根こぶ病抵抗性遺伝子に関する研究を行っています。実験室で葉から抽出したDNAの解析をしたり、温室で花菜の交配をするなどして、根こぶ病に強い系統を作ることを目的としています。(生資センター応用研究部、乙訓農業改良普及センター等との共同研究)
金時ニンジンの形質に関する研究
金時ニンジンは「京のブランド産品」に指定される野菜であり、関西圏では馴染み深い食材です。特徴として鮮やかな赤い根色があり、赤色はトマトと同じ成分、リコピンによるものです。金時ニンジンは西洋ニンジンと比べて生産しづらいという欠点があるため、生産に有用な形質を選抜可能にすることを目標として研究しています。ニンジンは主要な野菜ですが、遺伝学的な研究に関しては非常に遅れており、現在金時ニンジンの形質や開花特性に関しての分子遺伝学的研究を進めています。 (京都府農林センター園芸部、生資センター応用研究部等)