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京都府立大学 生命環境学部/京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 食品安全性学研究室/食環境安全学研究室

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教員


南山 幸子 (みなみやま ゆきこ) 教授

<主な研究領域> 活性酸素・フリーラジカル病態と疾患予防、食環境安全性学、アンチエイジング

研究室:5号館2F 5203
Tel:075-703-5409
E-mail: yukiko-m@kpu.ac.jp

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活性酸素・フリーラジカルは紫外線や放射線などで産生されることがよく知られていますが、生体内でも様々なところで作られています。過剰に産生されたフリーラジカルは様々な生体毒性を示します。この結果、病気として現れることになります。要するに毒消しの抗酸化物質とのバランスにより病気や老化の現象が起こるというわけです。環境ホルモンなども活性酸素による酸化ストレスが関与していることがわかっています。最近の若者の精子数は激減しており、これも悪い食環境やいくつかの添加物などをはじめとするエクスポソームによる酸化ストレス障害だとされています。このような生体毒性をより早期に評価し、抗酸化食品の摂取などで種々の慢性的な疾患を予防することができます。このようなコンセプトのもと男性不妊による少子化問題、老化、生活習慣病など多くの問題を解決すべく研究をしています。
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岡 真優子 (おか まゆこ) 准教授

<主な研究領域> 細菌学,感染薬理学,分子生物学,生化学   

研究室:5号館2F 5201
Tel:075-703-5410
E-mail: mayuko-oka@kpu.ac.jp


 人には初めて遭遇した細菌の感染を防ぐために自然免疫機能が備わっています。その中心的な役割を担っているのがマクロファージです。マクロファージは体内に侵入した異物を貪食し分解する機能を持っていて、さらに他の免疫細胞と連携プレイをするためのサイトカインを産生します。このような細菌感染マクロファージから産生される因子は、炎症を惹起して慢性炎症の引き金となることがあります。我々は、細菌感染マクロファージに発現する転写因子hypoxia-inducible factor-1(HIF-1)に着目して、マクロファージのもつ生体防御機能を解き明かしていきたいと考えています。私の研究内容を簡単に紹介します。

1. 細胞外小胞を介した細菌とマクロファージの相互作用機序についての研究
 大腸菌は、食中毒菌の1つであり、尿路感染や敗血症などの原因菌です。これまで大腸菌の分泌する細胞外小胞がマクロファージのサイトカイン分泌を促す炎症誘発因子として働くことが明らかにされています。一方、近年マクロファージの分泌する細胞外小胞にも炎症誘発作用が見い出されたことから、大腸菌とマクロファージの間ではそれぞれの細胞外小胞による複雑な相互作用が存在すると考えています。そこで、この2つの細胞外小胞に焦点をあてて、まだ知られていない生体防御の機構に迫りたいと考えてています。

2. 結核菌の増殖におよぼすマクロファージの代謝機能の関わりについての研究
 ヒト型結核菌の感染は、感染者の約10%が咳や発熱を伴う結核を発症し、多くは無症候状態の潜在性結核となります。発症と潜在性は、菌の増殖と休眠により決定づけられますが、宿主の栄養状態もまた発症の重要な要因であることが知られています。さらに、糖尿病は結核発症のリスクファクターの一つで、宿主の代謝機能が結核の発症に密接に関わっていることが明らかにされています。しかし、宿主の栄養摂取とその代謝機能が結核菌の増殖と休眠の調節にどのように作用しているのかはわかっていません。そこでマクロファージのHIF-1依存的なグルコース代謝と結核菌の増殖を詳細に解析し、結核発症の分子機構を解明したいと考えています。




小林 慧子(こばやし けいこ) 助手

<主な研究領域> 酸化ストレス,生活習慣病,セラミド代謝,食品科学

研究室:5号館2F 5201
Tel:075-703-6015
E-mail: k-kobayashi@kpu.ac.jp

皮膚のバリア機能としての働きが注目されているセラミドですが、分子種によって異なる作用があることがだんだんわかってきています。その中でも、病態を悪化させるセラミドの代謝に注目して研究を行っています。
 これまで、セラミドは抗がん剤処理によって増加し、がん細胞にアポトーシスを引き起こす生理活性脂質としての働きがあることが知られていましたが、糖尿病や動脈硬化など、全身の酸化ストレスが亢進する生活習慣病においても、セラミドが増加することを明らかにしてきました。また、このセラミドを生成する酵素であるスフィンゴミエリナーゼは、酸化還元によって活性が制御されることが分かりました。したがって、酸化ストレス亢進と共に増加するセラミド分子種を解明すれば、生活習慣病の病態悪化の診断マーカーとしても利用できると考えています。また、セラミドの増加を制御できる化合物、特に、食品に含まれる抗酸化物質が病態の悪化を予防できるのではないかと考え、研究を行っています。