京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 環境科学専攻

研究概要

二酸化炭素排出による地球温暖化


化石資源の消費による排出される二酸化炭素は、温室効果ガスであり、地球温暖化の大きな原因であると考えられています。二酸化炭素の排出を削減し、環境負荷を低減していくことは、我々人類にとって解決すべき大きな課題です。

森林は二酸化炭素の貯蔵庫


樹木は二酸化炭素を吸収しながらどんどん大きく育っていきます。樹木がたくさん茂っていくことで、やがて森林を形成します。森林は温室効果ガスである二酸化炭素を吸収・固定している貯蔵庫です。

持続可能な社会に向けて


森林資源(木材)は化石資源とは異なり、再生可能な資源です。適切に利用できれば枯渇することはありません。持続可能な社会の形成のために欠かせない、古くて新しい次世代のための資源であると言えます。



木を活用する


現在我々の生活はプラスチック、金属、セラミックなど、様々な素材で支えられています。森林から得られる木材も太古の昔から人類が使っている素材です。木材は自然素材で環境負荷が低いとされており、地球温暖化などの環境問題を解決し、カーボンニュートラルな社会の構築に向けてその利用に期待が寄せられています。


木は生き物


木は生き物なので、木それそれで特徴が異なります。強度が高い木や低い木、腐りやすい木や腐りにくい木など、様々です。
強度が高い木や腐りにくい木は希少で、そのような木を入手するために天然林などの貴重な森林が広く失われることもあります。


木を使う技術の開発


強度が低く、腐りやすいためにあまり使われない木を改質して、我々の生活に使うことができるようになれば、貴重な天然林を失うことがなくなり、未利用資源の有効利用や地域経済の活性化にもつながると考えられます。


カーボンニュートラルな世界に向けて

我々の研究室では、持続可能かつカーボンニュートラルな
世界の構築に向けた森林に関係する研究として、次の3つを行っています。

  1. 化石資源で作られる様々な製品をバイオ素材に転換するために、
    バイオマス(木材、農産廃棄物など)からプラスチック原料や
    バイオ燃料の原料となる化合物を作る研究。

  2. 強度の低く、腐りやすいなどの理由で、
    これまで建築材料などにはあまり使われてこなかった木を改質し、
    使えるようにするための新しいテクノロジーに関する研究。
    その時に、改質に用いる薬剤はバイオマス由来のものを用い、
    100%バイオ素材の新材料の創製を目指しています。

  3. 木を伐採し利用するだけでなく、伐採後の森林の早期の再生に向けて、
    成長の早い早生樹を植えて育てるための研究。